サニーヘルス たるみ研究所

コラーゲンだけでは不十分!?たるみ・シワ対策に欠かせない弾力成分エラスチンとは?

肌のたるみやシワは、女性を老け顔に見せてしまう大きな原因のひとつ。
その対策として、コラーゲンを一所懸命に摂取している方も多いのでは?
しかし、コラーゲンだけでは不十分。たるみ対策には「エラスチン」が欠かせません。
そこで、若々しいハリ・弾力を生み出すキーマン、エラスチンの秘密を大公開します!

特集 エラスチン・パワーを専門家が解き明かす

エラスチンはコラーゲンに比べて研究者の数が圧倒的に少なく、一般的な認知度も低いのですが、私たちの美と健康に欠かせない成分です。そこで、エラスチンに秘められたパワーと未知なる可能性について、三重大学教授・宮本啓一先生にお聞きしました。

専門家 三重大学大学院教授 宮本啓一 先生

ナビゲーター サニーヘルス株式会社 高幸恵

POINT

  • 肌のコラーゲンだけが増えていくと、肌が硬くなる可能性が。たるみのない弾力肌にはエラスチンが必要不可欠。
  • エラスチン摂取は肌のハリ・弾力の改善につながるだけでなく、肌のかさつきやメイクののりなど、さまざまな肌悩みの改善にも効果あり。
  • エラスチンは美容だけでなく、健康のためにも重要な成分。摂取することで、ひざの痛み改善やバストアップにも効果あり。
  • エラスチンは普段の食事ではなかなか摂取できない成分。サプリメントを上手に利用して、しっかり補給したい。
宮本啓一先生 ご紹介
みやもと けいいち/三重大学大学院地域イノベーション学研究科教授。専門は高分子化学、生体材料化学。主に再生医療支援材料(エラスチンなどの細胞外基質材料)、血液浄化材料(吸着材料)などの治療支援材料設計の研究に従事。日本人工臓器学会・日本高分子学会・日本再生医療学会・日本化学会・日本バイオマテリアル学会に所属。エラスチンとの出合いは大学時代。身体を作る大切な成分として、未知で謎が多いエラスチンの神秘に引きこまれ、エラスチンの研究をしている。

「コラーゲンでぷるぷる肌」は誤解?!たるみを「吊り上げる」のはエラスチン!

肌にコラーゲンだけが増えていくと、肌は硬くなります

一般的に「コラーゲン=弾力」「コラーゲン=ぷるぷるしている」と、大きな誤解をされていることはとても残念なのですが、実は体内のコラーゲンは弾力性はなく、硬い性質をもった成分です。つまり、コラーゲンがぷるぷるしているイメージは、体内ではありえませんし、コラーゲンやヒアルロン酸だけで「はね返すようなハリ・弾力」を生み出すことはできません。「弾力」というのは、エラスチンにしかない性質です。元々「エラスチン」という言葉も、「ハリのもとになるもの」という意味なんですよ。もしコラーゲンだけが増えると、肌が硬くなってしまう可能性があるのです。

エラスチンは、加齢でたるんだ肌を吊り上げてくれます

エラスチンは、成分そのものがゴムのように伸び縮みする性質をもった、弾力性のあるタンパク質です。一方、コラーゲンは強靭な性質をもった硬いタンパク質で、組織の強度を保つ役割をしています。たとえるなら、柱のように組織を支えるコラーゲンに、ゴムのようなエラスチンが絡みつくことで、肌に弾力を与えると同時に、肌を吊り上げているのです。コラーゲンもエラスチンもたるみ・シワを防ぐために重要ですが、なかでもエラスチンが不足すると肌を吊り上げる力が弱まり、たるみが進行すると考えられます。

コラーゲンに弾力性がないとは驚きの事実です!肌のハリ・弾力には、成分そのものに弾力性があるエラスチンが必要だったんですね!

加齢とともにたるむ肌には、エラスチン摂取がオススメ

加齢とともにエラスチンが劣化すると、肌がたるみます

体内のコラーゲンやヒアルロン酸は加齢とともに減少していくといわれていますが、エラスチンも同様です。エラスチンの体内生産量は20代をピークに落ちていきます。また、体内のエラスチンは、加齢や紫外線ダメージによって切れるなどして劣化したり、減少したりします。その結果、エラスチンによる肌を吊り上げる力が弱まり、40代くらいから「肌のたるみ」としてあらわれてくるのです。

エラスチンを摂取することで、肌の弾力性が高まります

エラスチンを一定期間摂取すると、肌の弾力性が高まることや、シワが改善されることが報告されています。エラスチンを摂取すると皮膚線維芽細胞とよばれる細胞に対してエラスチン合成の指令が出ると考えられ、その結果、皮膚のエラスチンが増えて弾力性が高まったり、シワが改善したりするというわけです。

体感アンケートによる肌状態の改善(摂取4週間後)

上の図は、「エラスチン75mgを配合したサプリメントを摂取したグループ(エラスチン75mg群)」と「エラスチンを配合していないサプリメントを摂取したグループ(プラセボ群)」に対し、摂取4週間後にアンケート調査を行った結果を比較したものです。緑色が摂取前の状態、ピンク色がエラスチン75mg群、青色がプラセボ群の結果です。エラスチンを摂取すると、肌のハリ・弾力だけでなく、肌の乾燥や質感にも体感の改善があることが報告されています。

エラスチン摂取によって、肌のハリ・弾力だけでなく、乾燥や質感の改善も期待できるとは嬉しいですね!

肌だけじゃない!生きていくのに不可欠なエラスチン

エラスチンは全身の「伸び」と「戻り」に欠かせません

まずお伝えしたいのは、あらゆる動物にとって「エラスチンは生命維持に欠かせない成分」ということです。動物が動く場合、どんな動作にも必ず「伸び」と「戻り」が生じます。この動きはすべてエラスチンが関わっているため、エラスチンなしでは決して存在できないのです。
近年、肌への効果から美容業界で注目を集めているエラスチンですが、実は肌よりもエラスチンの含有率が多い部位が、靭帯や血管、肺、子宮などです。つまり、エラスチンの特徴である「伸ばしても元に戻る復元力」を必要とする組織には、エラスチンが多く含まれているということなのです。

エラスチン摂取は、血管をしなやかに保ちます

柔軟性や弾力性が重要とされている血管は、エラスチン含有量が特に多い組織のひとつです。たとえば、大動脈の役割は心臓から送り届けられた血液を全身に運ぶことですが、弾力性に富んだ大動脈は、ポンプである心臓の負担を軽くしてくれ、血圧の維持にも有用なのです。そのため、エラスチンを補うことは血管をしなやかに保ち、動脈硬化などの予防にもつながると考えられています。

エラスチン摂取は、ひざの痛みも改善してくれます

エラスチン摂取は、シニア世代を悩ませる「ひざ関節の痛み」の改善にも役立つことが報告されています。ひざ関節の痛みの原因としてよく知られているのは「関節軟骨のすり減り」ですが、実は骨と骨とつないで関節を安定化させている靭帯が劣化することも、痛みの原因のひとつ。靭帯のエラスチンが減少すると、関節を安定的に支えることができなくなるのです。エラスチンを補うことは靭帯組織を強化し、損傷予防や関節痛の軽減につながると考えられています。

体感アンケートによるひざ状態の改善(摂取12週間後)/JKOMアンケートによるひざの痛みの改善(摂取6週間後、12週間後)

エラスチン摂取は、バストアップにも効果的です

エラスチン摂取は、ダイエット時のバスト下垂を抑制する作用があることが報告されています。バストの下垂の原因は、「クーパー靭帯」と呼ばれるバストを吊り上げている靭帯が、加齢などによって弱って伸びてしまうことです。クーパー靭帯は、乳腺を皮膚や筋肉につなぎとめ、胸の形をきれいに整える役割を担っています。エラスチンを摂取すると、この伸びきってしまったクーパー靭帯を強化し、バストのハリをよみがえらせてくれると考えられています。

体感アンケートによるバスト・ヒップの改善(摂取8週間後)
エラスチン摂取は、肌のたるみ改善だけでなく、全身の健康のためにも大切だとよくわかりました。

食事で摂りづらいエラスチン。だからこそ、サプリでの摂取をおすすめします

エラスチンは、食事からはほとんど摂取できません

エラスチンは、弾力性に富んだ組織に多く含まれています。具体的には、たとえば牛や豚であれば大動脈や肺、魚であれば動脈球(心臓のポンプの役割をしている組織)などです。しかし、そのような部位は食材としてほとんど流通しておらず、普段の食事からエラスチンを十分に摂取することは困難といわざるをえません。一方、美容成分として代表的なコラーゲンは、普段の食事で十分補うことができる成分です。

普段の食事では摂取しづらいエラスチン。サプリメントを上手に利用したいものですね。

美容、健康、そして医療にも!まもなくエラスチンの時代がやってくる!

人工皮膚など再生医療分野にも活用できる素材です

エラスチンはコラーゲンに比べて成形が非常に難しいという課題があり、これまで材料としての利用がほとんど進んでいませんでした。私はこの難題に取り組み、エラスチンを自由に成形加工できる技術開発に成功。その結果、人工皮膚や人工血管、人工尿管などに活用できる可能性を見出しました。今は研究段階ですが、一日も早く実用化できるよう、さらなる技術開発に取り組んでいます。

エラスチンで社会貢献ができるよう研究に励んでいます

私は、エラスチンを研究して20年になります。きっかけは医療用の素材開発を目指して身体の組織を勉強していたときでした。当時からコラーゲンはさまざまな研究結果が存在していたのですが、エラスチンはほとんど解明されておらず、エラスチンの未知なる可能性に大いに興味をもったのです。そして研究を進めていくうちにエラスチンの機能性が次第に明らかになり、美容や健康分野だけでなく、再生医療の分野にも広く活用できる素晴らしい成分であることがわかってきました。今後はエラスチンを成形加工する技術をさらに発展させ、再生医療分野などでの利用を通じて世の中へ貢献したいと考えています。

弾力成分エラスチンの素晴らしい可能性についてよくわかりました。宮本先生、ありがとうございました!

<参考文献>

  • 白土絵理:カツオエラスチンの製造技術と機能性:バイオインダストリー第32巻:24-29,2015
  • Shiratsuchi E,Nakaba M,Yamada M:Elastin hydrolysate derived from fish enhances proliferation of human skin fibroblasts and elastin synthesis in human skin fibroblasts and improves the skin conditions.J.Sci.Food Agric.Published online,2015
  • 白土絵理:健常な日本人女性を対象としたカツオ由来エラスチンペプチド摂取によるダイエット時のバスト下垂抑制及びバスト皮膚弾性改善作用:機能性食品と薬理栄養,Vol.10 No.3:1-8,2016
  • 岡元孝二,柿野賢一,堀祐輔,畠中登志也,鎌田照男,有馬一成,市川悦央:エラスチン・コラーゲン併用摂取による肌質改善効果の検証:新薬と臨床,Vol.60 No.3:217-228,2011
  • 伊藤浩行:高血圧性血管障害に対するエラスチンペプチドの予防効果:バイオインダストリー第32巻:37-43,2015
  • 宮本啓一:エラスチンの医療材料への応用:バイオインダストリー第32巻:44-51,2015